山形市の村山公認会計士事務所|経営サポート税務相談 税理士

コラム

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マクドナルドの輝き

 私は、休日でなにも用事がないときは、マクドナルドに必ず来る。

 マクドナルドは、一時、マックナゲットの製造工程の問題やバーガーへの異物混入が大々的に報道されて苦境に陥った。しかし、私はまったく気にしなかった。なぜ、それほどまでに、このマクドナルドに対して、世間が冷たくなれるのかが分からなかったし、現在も分からない。この苦境の時も、スタッフ(マクドナルドでは「クルー」と呼ぶ)の笑顔や親切さは変わらなかった。ただ、少し寂しげに見えただけだった。

 平日でも、仕事が終わり、時間が出来るとマクドナルドへ行く。平日夜の顔見知りのクルーや土日の女性クルーとは、たまに何気ない会話を交わす。

閉店時に必ずブラインドを閉める70代の女性クルーは、小柄で白髪で一見、無口風であるが、最後まで居残っている私にすごく優しい。

 アルバイトクルーには、それぞれの個人的な目標や願望がある。あるクルーは、介護士の免許を取るため、仙台の通信制の専門学校で勉強していると私に言った。

 苦しい時があっても、必ず、それは一過性のものだと思う。

 来店する客はさまざまだ。マクド店舗土地の地主風な人。マックオーナー。全く会話がない夫婦や親子。子供が勉強している脇で友達と楽しく会話している母親。文庫本を読んでいる、いつもの人。決まって夜9時頃にくる不倫風なカップル。通信ゲームで対戦して無言で席に腰掛けている40代のオタク系男たち。ヤミ金担当者風の男とカネを借りたとおぼしき疲労感漂う夫婦のシリアスな会話。顔見知りの元破産者兼詐欺師のような社長。医学部の学生。検定試験が近い受験者たち。

 なぜ、ここがこんなにも、自分にとって落ち着くのか。

 旅行中の北海道のマクドでは、毎晩、DVDを3時間程度、聞いて勉強したこともある。通常は、旅行中にまでマクドに入ることはしないが、市の監査委員になったばかりの昨年の夏は、公会計や行政機関の仕組みを頭に入れる必要があり、時間が無くて、旅行中の勉強となった。このときに、8枚のDVDを見て勉強することが出来た。すべて、「とほ宿」の夕食が終わっての夜9時頃から見ることになった。北海道の「とほ宿」や民宿に泊まるとき、近くにマックがあるのは、私にとって重要な事柄だ。苫小牧のマックで、朝5時のフェリーの乗船を待ったこともある。

 迷惑そうな顔をしない。それが自然で雰囲気に溶け込める。他のファーストフード店にない雰囲気がそこにある。人によって、マクドナルドを利用することにはいろいろな目的があると思う。私にとっては、勉強の場、事務作業の場で利用している。何よりも、一切の事柄から一旦開放されて、頭が空っぽになり、集中できる。

 図書館の場合は、勉強するぞ、勉強しなければならないという一種の強迫観念が若干ながら生まれる。そこが、疲れた精神に堪えるときがある。マクドナルドには、それが一切無い。私の自宅は、いろいろなジャンルの本が置いてあり、つい、それを読んでしまうため、実質的には、集中を要する勉強に適さないと自分の場合には思っている。

H29.6.11  本日、北海道行きフェリーの予約をマックで行う  公認会計士 村山秀幸