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コラム

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卒業式の講話

 3月に学校を卒業する学生に向けた学校長の講話は、社会人こそ聞かなければならない話が多いと思う。ネットから拾った卒業式の学校長のあいさつの一例を、以下に掲載する。

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綱領・校訓・贈る言葉

                                   校長 石谷 克彦

・公明正大ノ心情ヲ養ウベシ

・遠大ノ希望ニ向カッテ猛進セヨ

・師ヲ敬シ友ヲ愛セヨ

これは私の母校(高校)で、生徒の綱領として体育館に掲げられていたものです。

「綱領」、広辞苑には「物事の大切なところ。眼目」とあります。

母校は旧制中学の流れをくむ高校だったので、いわゆるバンカラな校風がまだ残っていました。また、入学した当時は大学紛争、学生運動の余波が高校にも残っている時代でした。大胆にも倫理の先生に哲学論議を吹きかけ堂々と議論する奴もいる学校でした。部活動に明け暮れながらも皆それなりに勉強していたはずですが、いろいろな悪さをする輩も大勢いました。そんな高校生活でしたので、この綱領を表立って意識することのない日常でしたが、代々の先輩から受け継ぐべき学校の「誇り」であり、一端、事あるときは「綱領を胸に前に進もう」という気概だけは持っていたように思います。

卒業から数十年が経った頃から、何かある度に何故か思い起こすようになりました。3年間の高校生活の中で知らず知らずのうちに記憶の奥底に刷り込まれていたのでしょう、  校歌や応援歌共々鮮やかに思い起こすことができます。当時のクラスメイトの名前は思い出すことが難しいのに、人間の記憶とは不思議なものです。

常呂高校には「流汗克己」という校訓があります。全校集会等の講話では何度も引用し「希望に向かって今こそ汗を流そう」と話しました。

20年後、或いは30年後に皆さんが「常呂高校」とともに思い起こすものはいったい何でしょうか。

校訓「流汗克己」?流氷ロードレース?カーリング?サロマ湖100キロマラソンボランティア?使い込まれた校舎?広いグランド?厳しかった○○先生?それとも共に汗を流した部活の仲間でしょうか。

3年生は様々な記憶とともに本日卒業式を迎えます。卒業の日に卒業生に贈る言葉は「卒業おめでとう、流汗克己を旨として生きよう」だけです。

2年生、1年生諸君には「誰に対しても、何があっても高校生活は三年という限られた時間だけである、希望に向かって『流汗克己』し、生涯にわたる友を見つけ共に泣き笑いし、『公明正大の心情を養い、師を敬し友を愛』し、悔いのない高校生活を創りあげよう」という言葉を贈ります。

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 常呂高校は、北海道のサロマ湖畔にある小規模な高校である。校訓は、「流汗克己」。この流汗克己は、「希望に向かって」という言葉が先にあるのだということが、この講話で分かった。「希望に向かって、汗を流し、己に克つ」。素晴らしい言葉だと思う。また、冒頭の綱領3つは、現代社会にとっていずれも重要でかつ必要であり、私も、公明正大を常に心がけ、遠大な希望に向かって猛進し、師を敬い、友を愛するよう、心にとどめたいと思う。卒業生と在校生を思い、卒業の訓示としてグッとくる最後のあいさつである。

平成29年3月20日 入学式も卒業式もないわれわれ社会人へ  公認会計士 村山秀幸